次世代省エネルギー型工業炉の開発のお知らせ
40~70%の燃料使用量削減を実証/CO₂発生量削減を実証
美濃窯業株式会社(以下、美濃窯業)ではカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、主力製品の一つである工業炉*1の省エネルギー化技術の開発について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」(以下、未利用熱PJ)からの助成を受けて取り組んで参りました。
未利用熱PJの集大成として、省エネルギー型熱処理・工業炉のプロトタイプ炉を設計・製造し、省エネ性能の評価を実施した結果、自社製既存炉と比較して約40~70%の燃料使用量削減/CO₂発生量削減*2が可能であることを実証致しました。
次世代省エネルギー炉の特徴
1.断熱材に超多孔体を使用
未利用熱PJにて、国立研究開発法人産業技術総合研究所と気孔率85%、熱伝導率0.25W/m・Kと軽量、高断熱でありながら圧縮強度10MPa以上の強度を持つ超多孔体を共同開発し、プロトタイプ炉の炉材として採用致しました。軽量、高断熱な超多孔体を使用することで炉外への無駄な放熱を防ぐことで省エネルギー化を実現します。
2.リジェネレイティブバーナーによる排熱回収
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(TGES)の協力のもと、同社製高効率リジェネレイティブバーナーをプロトタイプ炉に実装致しました。リジェネレイティブバーナーは廃熱を回収し再利用する機構を持つバーナーでプロトタイプ炉の最適な熱効率を実現します。
性能評価
プロトタイプ炉にて種々の温度プログラムを用いて1,650℃までの加熱及び室温までの冷却を実施し、その際の燃料(LPG)使用量を測定致しました。その結果、自社製既存炉と比較して約40~70%の燃料使用量削減/CO₂発生量削減が可能であることを実証致しました。
今後の予定
プロトタイプ炉の耐久性テストや実製品の焼成テストを行いながら、改良・改造を経て、省エネルギー型熱処理・工業炉の早期製品化を進めて参ります。
さらに、美濃窯業で既に開発している高効率熱交換器及び水素燃焼バーナーとの組み合わせも検討し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。
用語解説
*1 工業炉
材料を目的の温度で溶解・加熱・熱処理する工業用装置の総称
*2 約40~70%の燃料使用量削減/CO₂発生量削減
焼成温度、焼成カーブ、被処理物重量等により燃料使用量削減/CO₂発生量削減の効果は変動します。
【お問い合わせ先】
美濃窯業株式会社 プラント部
Tel:0572-68-2108 Fax:0572-68-2100
Mail:sales-plant@mino-ceramic.co.jp